ドメインという言葉はサーバ管理者であれば誰しも聞く言葉ですが、その意味についてのある程度の理解はあれど、設定方法はよくわからなかったという方は多いのではないでしょうか。今回はドメインという言葉についてわかりやすく解説をしてみます。ああ、こういう意味だったのか!となっていただければ幸いです。
本記事は以下のような方におすすめです。
- ドメインという言葉は聞いたことがあるけれど、よく意味がわかっていない人
- ホームページを初めて作るときにドメインの設定がよくわからない人
- IPアドレスとドメインの関連性についてイマイチ理解が深まっていない人
事前知識: IPアドレスの意味
ドメインという言葉の意味を理解する前にIPアドレスについて説明をしておきましょう。アイピーアドレスと呼びます。IPアドレスは各端末の住所を示す番地のことです。これはインターネットに接続する端末には付与されています。例えば筆者のパソコンのIPアドレスを検索してみましょう。

すると白塗りしている箇所も含めると 180.14.xx.xx
というアドレスが取得できました。これが筆者のパソコンのIPアドレスになります。.
で区切られた箇所がアドレス、すなわち 180の14のxxのxx 番地
に筆者の端末のアドレスは割り当てられているという意味です。これでインターネット上における自分の住所がわかったわけです。
IPアドレスを隠している意味は念のためです。実際にセキュリティが甘ければ端末に侵入される恐れがありますが、ポート開放などをしていなければOSのセキュリティ機構が守ってくれます。
ドメインと名前解決について
ドメイン名と名前解決について説明します。まずドメイン名というのはIPアドレスに名前をつけたものです。先ほど紹介したIPアドレスに名前をつけることができます。ちなみに筆者の端末には名前はありません。なぜならば端末にアクセスすることを想定していないからです。反対にWebサーバーなどの他社からアクセスが想定される場合は名前をつけたほうが何かとお得なのです。いくつかメリットがありますが、最も便利なのは番号の羅列から人間が読みやすい文字に変換されることでしょう。人間が扱うにはドメイン名、機械が扱うには番号の羅列であるIPアドレスのほうが好まれます。
必然的にドメイン名とIPアドレスを変換する必要性が出てきます。その紐づきを確認する方法として、DNSサーバに問い合わせてIPアドレスを取得するという方法があります。このドメイン名からIPアドレスへの変換のことを名前解決といいます。流れを超簡単にイラストにすると以下のような流れになります。例えば fonts.google.apis.com
というドメインの IPアドレスを問い合わせると 実際に 142.251.xx.xx
と返却されます。これがドメインと名前解決の意味です。現実には名前解決においてOSの機能やレコードのキャッシュ機能が加わるため、この図は実際にはもう少しだけ複雑になりますが、本質的にはこの図を理解できていれば大丈夫です。

さてここまでがドメイン名の説明でした。本記事に訪れる方々はWebサイトを実際に運用されている方が多いと思われるため、これらの説明から、みなさんのサーバのIPアドレスとドメイン名を紐づけなければならない(名前解決できるようにしなければならない)ということになります。サーバーの立ち上げ当初にはこの名前解決の設定が必要になるわけです。
Aレコードについて
ドメイン名を設定をしたことがある人がいると思います。以下はお名前ドットコムのスクリーンショットです。ここで TYPE
で A
を選択して exmaple-site.blog
を 54.238.xx.xx
に設定していますが、まさにこのAレコードがドメイン名とIPアドレスを紐づけています。DNSサーバはレコードを持っており、それをユーザに返却することで名前解決をしているというわけです。

そしてドメイン名とIPアドレスの紐づきはWeb上から確認することができます。

このサイトでドメイン名を入力して nslookup実行を押すと...

無事に 54.238.xx.xx
が返却されています。これがAレコードの意味でした。
CNAMEレコードについて
またCNAME
というレコードを登録したことのある方も多いのではないでしょうか。CNAME はサーバの名前に別名をつけることができるDNSの機能です。 www.kaizen-seo.net
という名前解決を kaizen-seo.net
の名前解決として取り扱うという意味になります。したがって、 www.kaizen-seo.net
と kaizen-seo.net
の IPアドレスは同じになります。結局CNAMEの値である kaizen-seo.net
に名前解決をさせています。ちなみに 特別なことをしない限りはkaizen-seo.net
の Aレコードは必須になります。

そしてCNAMEの確認もWeb上から確認することができます。www
のついたサーバが cannical name
として www
なしのドメインが表示されました。ちなみに CNAME = cannical name
になりますね。

まとめ
以上になります。ドメインや名前解決についての理解がすこし深まったのではないでしょうか。設定を通して理解できていなかった箇所についてすこしでもわかるようになったと思えればうれしいです。それでは次の記事でお会いしましょう👋