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ページキャッシュを上手に活用してWordPressの高速化を実現する

今回はWordPressのサイトが重い!と感じている方にぴったりのページキャッシュの方法です。ページキャッシュはWebサーバで実施するキャッシュで高いパフォーマンス効果を期待できます。ゼロから解説していくのでぜひ設定をしてみてください。

ページキャッシュとは?

概要

ページキャッシュとは、Webサイトにアクセスしたときに、ページを生成してサーバにキャッシュさせる機能のことです。通常のWordPressではアクセスをするたびにサーバがPHPファイルを読み込んでHTMLファイル等を生成します。しかし毎回読み込むことは無駄なページがいくつか存在します。例えばプライバシーポリシーや免責事項のページはめったに更新されないため、ページを事前にキャッシュさせておけば、毎回PHPを実行させずに静的ファイルを返却するだけでページを高速化させることができます。

さて詳しく動きを見ていきましょう。まず初めてのサーバにアクセスするときはPHPファイルを実行してHTMLなどの静的ファイルを生成します。このファイルをサーバは以降のアクセスに備えてキャッシュしておきます。

そして再びサーバにアクセスが来たときにPHPを再び実行せずに、キャッシュさせておいたファイルをそのまま返却します。このようにスクリプトの実行を省略させることでユーザからするとページが高速に表示されるわけです。

今回は最も簡単な例を紹介しましたが、1回目のアクセスを待たずにサーバを立ち上げた時点でページを生成しておくこともできます。2022年においてはその方法のほうが主流かもしれません。

ページキャッシュの効果は?

本サイトのプライバシーポリシーのページの最初のリクエストで速度を実験してみました。結果としては 162ms34ms という結果になりました。大きなページの速度改善になっていますね。ページキャッシュの効果の高さが伝わるはずです。

キャッシュ前

キャッシュ後

注意するべき点

ページキャッシュはトラブルの元になりやすいです。特に認証系が絡む場面は要注意です。一度サーバで生成して保存したページを他のユーザーにも再利用するということなので、他のユーザの情報が漏洩する危険性をはらんでいます。またスマホ用に最適化したページがPCユーザには表示されたりと、ページキャッシュはなにかとトラブルが多い機能になっています。

ページキャッシュが適したサイトは?

ではどのようなサイトがページキャッシュを利用するべきなのでしょうか?指針としては更新が少ないサイトにはページキャッシュが適しています。例えばブログやランディングページなどが該当するでしょう。逆にリアルタイムで更新が必要なサイトの場合はページキャッシュはあまり適さないでしょう。むしろページの生成コストのほうが上回ってしまうかもしれません。いずれにしても静的なページには非常に強力な機能であり、高いパフォーマンスを発揮することは間違いありません。注意深く設計すれば、よく働いてくれることでしょう。

ページキャッシュの設定方法 by WordPress

ページキャッシュを有効化する

本サイト推奨のプラグイン W3 Total Cache では有効化にチェックを入れるだけです。ページキャッシュ方法という箇所はキャッシュの保存先です。デフォルトから特に変更しなくてもよいですが、さらなる高みを目指すときに、RedisやMemcachedなどのサービスを利用してディスクからメモリにキャッシュさせることもできます。ディスクと比較してメモリは高速なのでパフォーマンス効果を期待できます。

パフォーマンス > 一般設定> ページキャッシュを有効化

ページキャッシュは様々な設定をすることができます。パフォーマンス > ページキャッシュのタブを開いてみてください。多くの設定が含まれていることでしょう。ページキャッシュは何をキャッシュさせるかさせないかを丁寧に設計する必要があるため、このページの設定をしっかりと調整する必要があります。ここでは簡単に設定しておいた方がよい項目について紹介します。

一般

まずは一般という項目についてです。これは以下のように設定しておくとよいでしょう。特に注意すべきは ログイン済みユーザに対してページをキャッシュしない という項目です。そもそもログインという概念が存在しない場合はかまいませんが、認証機構がある場合、別ユーザのページを表示させてしまう可能性があります。この項目にチェックを入れることでその問題を防ぐことができます。

キャッシュのプリロード

補足で前述しましたがページキャッシュを事前に用意、つまりアクセスなしにサーバを立ち上げた時点で静的ファイルを生成しておく方法です。キャッシュプリロード > ページキャッシュを事前に準備する にチェックを入れておくとよいでしょう。

さいごに

ページキャッシュについては設定が難しいこともあり、初心者には設定が難しいかもしれません。しかし表示速度の改善においての効果は大きいためぜひ一度チャレンジしてみてください。本サイトではほかにもサイト表示高速化の記事を掲載しています。関連記事よりご覧ください。